夜明けの玉石たち 2016/3/20


--うちから車で二時間弱。久しぶりな夜明けのホノホシ。「何度か撮ったことあるから違う場所を」って出発したんだけれど、予定していた場所の日の出位置が予想より北だったので急きょ予定変更。近くにホノホシかあって良かった。伊須(いす)からは15分もかからないんだね。そう、ホノホシの海辺に出て写真を撮り始めてから思い出した。ここは厳密には二つの海岸がある。中央の大きな岩を挟んで両側に丸い石ころだらけのSea Shore。そういえば今まで日の出を撮ったのは向こう側ばかりだ。こちら側で朝日を迎えるのは初めてだな、たぶん。ゴロゴロ動く玉石の上は相変わらず歩きにくかったけれど、波をかぶらないように気をつけながら、出来るだけ波うちぎわに近付いてシャッターを切った。波から逃げ惑いながら。たまにスニーカーが濡れるほど波に迫られると、波しぶきと一緒に風がブワッと吹いてきた。やけに生あたたかかい風に一瞬包まれる。朝の気温より海水の方がまだ暖かいのかな、なんて思う。

--帰ってから写真を見て、一番撮りたかったものがちゃんと撮れているカットがあって嬉しかった。押し寄せる波が崩れる直前に見せていた、朝日に透き通ったアクアブルー。繰り返し現れてはすぐ消えるアクアブルー。視界を通して脳の美しさセンサーには刻まれるのに、写真にはなかなかご一緒してくれないアクアブルー。波のアクアブルーを軸に、濡れて艶めく玉石はクリアに、朝日はJPEGでは飛ぶけどRAWには残ってるくらいの露出で、水平線はほんのり弧を描いて、できれば海面はあまり荒れず朝焼けを反射したい、かなうなら岩から潮が吹き上がる・・。そんなタイミングを狙って波うちぎわを走りまわりました。潮吹きとアクアブルーは重ねきれませんでしたが、今日のところは満足。

撮影地「ホノホシ海岸」


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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