約束の天の川 2017/7/8


--七夕は昨日だったのですが、暗くなる前から満月直前の月が煌々と夜空に輝き、そのまぶしいほどの明るさに天の川のかすかな星明かりは見えずじまいでした。せっかく晴れていたのですが、満月の頃は夜空そのものが明るくなるため、淡い光の星は空にまぎれてしまい、天の川も見えないのです。良い方に考えると、強い光の星が目立ちやすくなるので、星座がわかりやすい利点もあります。天の川は見えなくとも、織姫と彦星はよく見えたのではないでしょうか。織姫と彦星があれば間を流れる天の川は見えなくとも・・と思ったりもしましたが、満月前ということは日の出より先に月が沈みます。調べると月没は4時半で日出は5時半ごろ。その間1時間。うわーギリギリかな。え?十分余裕あるじゃない!とお思いかもしれませんが、夜明け前は結構早く空が明るくなるのです。太陽の威力や月の比ではありません。そういうわけでギリギリの可能性に期待しての3時半起床。微かな天の川は度を弱めたメガネでは見えないので、コンタクトを装着して万全の態勢で北へ向かいました。車を走らせながら時々止まっては沈みゆく月を撮り、夏の大三角を目印に構図を想像しました。最初は海の上に月を沈めようと佐仁(さに)を目指していました。夏の満月は冬の夕日と同じような位置に沈むので、冬でも夕日が見られる佐仁まで行けばいい構図が得られるのじゃ無いかと思ったのです。ところが赤木名を通り過ぎ、海岸線を屋仁(やに)へ向かおうとする際、笠利湾の上空に良いあんばいで浮かぶ夏の大三角が目に止まったのです。実にいい場所に輝いていました。月は島影に沈むこととなりますが、冷静に考えると狙いは月ではなく星。織姫と彦星を含む夏の大三角が主役です。沈む前の月灯りで三脚を立て、カメラをセットして時を待ちました。月が沈み出すと夏の大三角のまわりに星が見え始め、やがて薄らと天の川も見て取れました。そしてすぐに空は白み始めたので、天の川が見えたのはほんの数分のことでした。織姫と彦星が、これまで幾度となく逢瀬を重ねた天の川。夜明け前の天の川では、逢瀬を楽しんだ二人が再会の契りを交わしている頃でしょうか。

--解説しますと、写真は明け方前の西の空になります。島影のオレンジの明かりは沈んだ月の残照です。上の写真中央あたりに天の川があり、天の川をはさんで強く輝く二つの星が、右が織姫で左が彦星です。夏の大三角はベガ(織姫)・アルタイル(彦星)・デネブで構成されますが、東の空にある時にはベガを頂点とした三角形なのですが、西へ移動しながら三角形が回転し、西の空にある時にはデネブを頂点とした三角形となります。下の写真は時間が前後しますが、上の写真の直前の風景で、まだ明るい月が沈みきっていないので、星が写るほど露光すると月光は強い光となって写っています。

撮影地「赤木名(あかきな)三鳥屋(みじょら)」


このページは、奄美の写真家「別府亮」の撮影日記的な奄美の記録→『奄美/365』の1ページです。
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