あまみ頃最新版


10/21「秋風と太陽」

もうすっかり秋だと思っていた。だいぶ涼しい風も吹いてきたから立派に秋だと思っていた。だけど、先日大阪に行って帰ってきた時、島はまだ夏だと思いなおした。奄美はやっぱり暖かいというか、暑い。

島からすると初冬のような冷たさの本州からやってくる旅人は、きっと真夏よりも今の季節の方が驚くかもしれない。同じ日本とは信じがたい陽射しのギャップに。

道ばたに目立つ草花はもうシロノセンダングサばかりになった。他の草花たちは春に向けて冬眠準備に入っている。

ハイビスカスみたいに大きな花はサキシマフヨウ。白と桃色が混ざったキレイな花。ススキも顔を出し、秋の風情がそこあそこに見られるようになった。

風も夏に比べれば随分と涼しいもんだ。だがこの陽射しはどう。この太陽のまぶしさはまだまだエネルギー充分。心地よい風に吹かれていても、日なたに出れば汗がにじむ。

午後から私の部屋を不必要に暖めてくれる西日から逃げ出して、こんな秋晴れの日は高台へ登りたい。地上より少しでも冷たい風吹く高台へ。

今日は屋入トンネルの上。見晴らしのいい旧道から、広がる太平洋と秋の空に逃避行。ここからパラグライダーが飛び立つ木製のデッキ。腰掛けてボーッとする。

目の前の手広海岸にはサーファーが見える。海に浮かぶ小さな人影が波に揺れている。

あのうねりは、遠く小笠原を通った台風18号からやってきたのだろうか。

港の小舟はどことなく退屈そう。

横の草むらではクモがせっせと編み物をしている。

あ、飛行機。

秋がゆっくりと流れていた。


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